網代のボートつり|その日の釣果はカラスが1羽のみでした

2018年9月6日

伊豆の網代のボート釣りには、私は何度も行っていて、初回にキス釣り仕掛けでマダイが釣れてしまったことから、その後はあまり良い目には遭ったことがありませんでした。

ある時、私はいつものように網代のボート小屋に訪れて、手漕ぎボートでイケスに向かい、あるイケスにボートをロープで固定しました。

ここのボート釣りは、本来イケスの上に乗って釣りをしてはいけないのでしょうけど、みんなイケスの上に乗って釣りをしています。

私たちは、イケスの上に乗らずに前回同様にキス釣り仕掛けで、あわよくば2匹目のどじょうをという腹づもりでマダイ狙いのチョイ投げ釣りに挑みました。

ちょい投げ釣りとは言っても、周りには障害物がないため、結構竿を振り切れるんですよ。

私たちは、安全面を考慮しながら、100m位まで飛ばしながら、天秤仕掛けをゆっくりと引きながらアタリが来るのを待っていました。

しかし、一向にアタリが無く、手元まで手繰り寄せた仕掛けを巻き戻して、再び再投入。

その時、私が投げた仕掛けの道糸が空中を漂っていた時、左の方から数羽のカラスが飛んできたんです。

道糸は、PEラインを使っていたので、仕掛けを投げた直後には、フワーっと空中に漂うんですよ。

その漂っている最中のPEラインに、1羽のカラスが絡んでしまったんです。

その瞬間、カラスは海に落ち、隣のイケスの下の方に、カラスが入り込んでしまったんです。

私は、咄嗟に自分のリールのところからPEラインを切り、ボートを繋いでいたイケスからはずし、隣のイケスへと漕ぎだしました。

隣のイケスに着くと、カラスが入って行ったイケスの下の方を覗いてみると、カラスが海に浸かりながら、顔を海面に出した状態で見つけることができました。

私は、オールでカラスを手繰り寄せ、手元にあった雑巾でカラスのくちばしを掴み、カラスを持ち上げました。

カラスの足元を観てみると、PEラインがぐちゃぐちゃに絡んでいたので、念入りに1箇所ずつ、ハサミで切っていきました。

10箇所位切ったところで、無事カラスの足からPEラインを取り除くことができました。

 

網代のイケスには、ド真ん中に1本、ポールが立っていて、ポールの先からはイケスの4隅にロープが結んであるんです。

恐らく、イケスにビニールシートを掛ける時留めるのに利用しているのではないかと思うのですが、そのイケスにはビニールシートが掛けられていました。

各イケスのポールには、それぞれカラスが1羽ずつ止まっていました。

私は、絡まったPEをほどいた直後、そのカラスをそのビニールシート上に乗せました。

完全に濡れてしまった状態では、しばらくは飛ぶことができないと思われます。

しばらくは、そのカラスが心配だったので、様子を観ていました。

すると、そのカラスは4隅に結んであるロープの1つによじ登りだしたんです。

それを辿って行くと、イケスのど真ん中のポールまで行くことができます。

ポールのところに停まっている仲間のところまで行こうと思ったのか、ドンドンとロープを仲間めがけて登り出したんです。

やがて、仲間のいるすぐ手前まで、ずぶぬれのカラスが寄って行くと、ポールの上にいたカラスがそのカラスを襲い始めました。

突っつかれる度に「アァー、アァー、アァー、アァー」と、痛い気な声を上げていました。

私は、殺されてしまうのではないかと思いながら、そのカラスが「人間に助けてもらった奴には用が無い」と言っているように思いました。

彼は、そのカラスが私に助けられるところを、一部始終イケスの上で観ていましたから。

 

やがて、やられていたカラスも、徐々に体も乾いてきて、襲われていた鳴き声も聞こえなくなったので、私は取敢えずもう大丈夫だろうと判断したので、自分たちのイケスに戻り、釣りを再開しました。

そのイケスで釣りを再開してもよかったのですが、元気になったカラスが復讐してくることが頭をよぎったので、そこでは釣りを再開しなかったんです。

自分のイケスで釣りを再開した直後も、さっきのカラスが仲間を引き連れて復讐しに来ることを警戒しながら、釣りを続けていました。

お陰でその日の釣果は、カラスが1羽のみの釣果となってしまいました。

 

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